THE STORIES BEHIND THE CURATED FLORAL FABRICS COLLECTION
繊細な線画から凍った花まで:リバティ・ファブリックスの2024年秋冬コレクションの裏側に迫ります
コレクションを見るリバティが大好きな花柄。初期のコレクション以来、アイコニックなプリント・アーカイブの定番である花柄の生地は、チューダー朝の壁と同様に、リバティそのものと言っても過言ではないでしょう。
長年にわたり、リバティのプリント・デザイナーは花や植物の無数のディテールやニュアンスを探求してきましたが、最新のリバティ・ファブリックス・コレクション「The Curated Floral」ではさらに推し進め、花をアート作品として位置づけ、母なる自然の完璧な創造物を表現しています。
この多様でコンテンポラリー、かつ現代的なコレクションは、リバティ・アーカイブのプリントからインスピレーションを得て、ユリや デイジーなど古典的なリバティの花々を新たにアレンジしたものから、植物からインスピレーションを得た繊細な線画、あるいは現代のデジタル技術を駆使したまったく新しいプリントを生み出しました。
3つのチャプターからなるこのコレクションでは、それぞれ新鮮な花の探求を表現しています。「フローラル・フォーカス」は、花そのものを深く掘りさげました。芸術家やフラワーアーティストがどのように自然から花を取り出し、芸術作品を創作しているのかを検証しました。このチャプターでは、静物画作品からのインスピレーションと花そのもののミクロな分析を融合させ、有機的なフォルムと華やかさの真の賛美をお届けします。
「フローラル・ライブラリー」は、植物学者の目を通して花を見ることで、私たちがいかに花を種や科学のカテゴリーに分類し、適合させようとしているかを検証し、コレクションに秩序をもたらせました。リバティのアーカイブで再発見されたデザインをフィーチャーしたこのチャプターは、その歴史を通して重要な花々を祝福します。
「フローラル・ワンダーランド」は、あなたを別世界へと誘い、アーティストのイマジネーションの中に入り込み、花のワンダーランドを探求します。ユニークで別世界のような植物の風景があふれるこのチャプターでは、見たこともない品種やハイブリッド品種の世界を讃えます。
コレクションがストアやオンラインで盛り上がりをみせるなか、このコレクションを手がけたデザイナーたちに、お話を伺いました。
Babingdon
「バビンドン」は、1937年のアーカイブのスワッチから再描画されたもので、英国で絶滅の危機に瀕している植物や花の種に似たものが描かれていたので採用しました。カブラギキョウ、イガヤグルマギクなど、目凝らすと素晴らしい希少な花を発見できます。
-- ポリー・メイソン(シーズナル&クラシック ヘッドオブデザイン)
1937年のリバティの生地見本帳でこのデザインの最も古いバージョンを見ることができます。当時、このプリントには「クローバー」と名付けられていました。
-- フローリー・ハーディング(リバティ アーカイブ アシスタント)
Frozen in Time
「フローズン・イン・タイム」は、日本のフラワーアーティストであり植物彫刻家でもある東信氏の作品、特に凍った花の彫刻からインスパイアされました。このデザインのために、私は自宅の庭や近所の花屋からさまざまな美しい花を選び、凍らせる実験をし、自分のスマートフォンで撮影をしました。そしてそれらをコラージュし、この幻想的なオール・オーバー・リピートのデザインを作りました。
-- ドミニク・デヴォー(シニアデザイナー)
Fragile Blooms
キュレーテッド・フローラルは、花を通常の概念から解き放ち、そのフォルム、パターン、象徴性など、ひとつのアートピースとして見ることをテーマにしています。
リバティでは、花や自然からインスピレーションを得ることが多いのですが、このコレクションではその枠を超え、花のディテールや真の美しさにじっくりと目を向ける機会を与えてくれました。
「フラジャイル・ブルームス」は、ポピーの様々な静物画の研究から発展したもので、ポピーの花がその一生の間に取り得る様々な形に焦点を当てました。そのスタイルは日本の木版画にインスパイアされたもので、よりグラフィックな雰囲気を出すために、花を細いライナーペンで描くことにしました。
-- ハンナ・マクロスキー(デザイナー)
Mitsi Mix
「ミッツィ・ミックス」は、最も人気のあるクラシック・レンジのデザインのひとつである 「ミッツィ」の大胆なスクリーンプリントのシリーズを制作したときに生まれました。私はここで、色とレイヤリングのさまざまな組み合わせを実験しました。私たちは常に、クラシック・デザインをより新しくエキサイティングに魅せる方法を模索していますが、ここでは、以前よりもはるかに大きなスケールで「ミッツィ」をより現代的に解釈しています。このデザインの素晴らしいところは、印刷された紙の質感がそのまま残っていることです。
私にとっての "The Curated Floral "は、花を芸術作品として紹介するデザインのコレクションを集めたことを意味します。これらの花々は自然環境から切り離され、その美しさを研究し、賞賛することで、美術館に飾られても違和感のない作品に仕上がっています。
-- ドミニク・デヴォー(シニアデザイナー)
Sunflower Spot
今回のコレクションのコンセプトは、リバティの重要なデザインの柱のひとつである花に焦点を当て、芸術作品としての花を探求したいという願いから生まれました。デザイナーとして、自然の多様な美しさを生地の上に表現する方法の限界を押し広げることに挑戦しました。
「サンフラワー・スポット」は、1800年代半ばの小さなアーカイブの断片から生まれました。リバティはコレクションに常にペイズリーの美学を取り入れていますが、この複雑なディテールに満ちた大輪の花は、24年秋冬のリバティからの提案です。
-- ポリー・メイソン(シーズナル&クラシック ヘッドオブデザイン)
リバティのアーカイブには、リバティが手がけたデザイン以外も多く所蔵されています。「サンフラワー・スポット」の着想源となった小さな生地の断片は、1830年代から1860年代のもので、リバティ創業以前の古いペイズリーのデザインです。
-- フローリー・ハーディング(リバティ アーカイブ アシスタント)