IN CONVERSATION WITH: THE LIBERTY FABRICS & BRIDGERTON PRINT DESIGNERS
特別なコレクションのために、リバティのプリントデザイナーたちがどのようにインスピレーションを探し、挑戦し、デザインをつくり上げたのか。担当デザイナーのインタビューをお届けします。
リバティ本社のように、NetflixとShondalandによるブリジャートンの後編が配信されるのを辛抱強く待っている皆さんのために嬉しいお知らせです。すでにシーズン3を一気に観た方も(もしそうだとしたら素晴らしい!)、ゆっくりとご覧になっている方にも、リバティ・ファブリックス&ブリジャートン・コレクションの舞台裏を、コレクション制作に携わったプリントデザイナーの対談を通じてご紹介します。
ペネロペズ・ガーデン、リージェンシー・ブーケ、ボタニカル・トレリスの3つのチャプターからなる全9柄のコレクションは、リバティのプリントデザインチーム所属している才能豊かなアーティストにより入念にデザインされ、手描きされました。
リバティのデザイン・ディレクター、メリー=アン・ダンクリーとデザイナーのヘレン・ロフトにインタビューし、彼女たちのチームがこの難解なプロジェクトを最初から最後までどのように進めたのか、 各章に込められたインスピレーション、お気に入りのプリント、そしてプロセスを通して直面した課題とは?を取材しました。
Developing the design of Ribbon Cascade
ブリジャートン・コレクションをデザインされた際のプロセスを教えてください。
メリーアン:私たちはいつも、アーカイブを調べることから作業を開始します。ブリジャートンでは、摂政時代のデザインや 1800 年代初期のパターン ブックのデザインを詳しく調べました。その中には、リッチな織物、細かいリボン、美しい色彩のシルクなどが含まれています。私たちはこの初期の段階で、ションダランドとネットフリックスのチームと緊密に協力し、エキサイティングな共同作業のエネルギーで開発しました。リバティのアーキビストとデザイナーは、歴史的な時代の精神を受け継ぐアイデアと、ブリジャートン・スタイルの新シーズンの美学を称えるデザインを提案しました。
ヘレン:ブリジャートンらしい柄や色について、過去のシーズンから繰り返し使用されているデザインのディテールを調べたり、新しいストーリーで重要になるモチーフやパレットなどを紹介してもらったりして、たくさんリサーチをしました。私たちは特に、壁紙、フラワーディスプレイや花瓶、セット内の美しい建築物のディテールにインスピレーションを受け、これらの装飾的なディテールや歴史的な言及をプリントデザインに反映しようと考えました。
メリーアン:最初のセレクトが終わると、デザインチームはさまざまなデザインの方向性に取り組み始めました。アーカイブの作品に現代的な感覚を持たせるために、ドローイングやペインティングを施し、再加工しました。いくつかの要素を取り除き、陰影を加え、現代のパターンスタイルに合うようにリピートのレイアウトを検討し、ファブリックがお客様にもたらすインパクトのあるスケールに加え、繊細なディテールを提供できるよう、サイズの実験をしました。
今回のコレクションではどのようなテクニックや素材を使いましたか?
ヘレン:アートワークのデザインはガッシュ絵の具を使って描きました。この絵の具を使うことで、プリント生地にしたときに完璧に再現できる美しいフラットカラーを作ることができます。デザインは手描きするのが適切だと思ったので、私たちがインスピレーションを受けた時代にふさわしい職人的な雰囲気に仕上げました。
メリーアン:イタリアにあるリバティのプリント工場の専門家チームがテクニックをアドバイスしてくれます。デザインは、リバティの人気素材であるタナローン・コットン、リッチでありながらマットな仕上がりのシルククレープデシン、より構築的なファブリックを提供するシルクツイル、そしてブリジャートンファンが求めるような、エレガントな輝きでファブリックの色を変化させるベルグレーヴィアシルクサテンにプリントしました。
*日本での展開はタナローンのみとなります。
今回のコレクションに使用するアーカイブプリントはどのように選んだのですか?
ヘレン:NetflixとShondalandと、直接会ってクリエイティブな話をたくさんし、デザインスタイルを解釈するさまざまな方法を探りました。美しいデザインと彼らの創造的なビジョンが出会う共同作業でした。新シーズンのキャラクターやストーリーについて学び、それをプリントや色に反映させることが重要でした。例えば、ペネロペの新しい洗練されたパレットには、深みのあるティールやより豊かな顔料を使い、彼女のキャラクターの変身を象徴しています。
今回のコレクションを3つの言葉で表現すると?
メリーアン:威厳、ロマンチック、華やか
ヘレン:熱烈、魅惑的、豪華
ブリジャートンの世界観とリバティの美学をどのように融合させ、両者に真摯であり続けたのでしょうか?
メリーアン:このコレクションでテキスタイルの精神を讃えるのは刺激的でした。素晴らしい色彩があり、現代の顧客向けにどう編集し、スクリーンの色彩を現代の嗜好に合わせてテキスタイルにどう取り入れるかが課題でした。
3つのチャプターをデザインする際、それぞれの違いをどのように表現しましたか?あるチャプターでは使用したが、別の章では使用しなかった具体的な芸術的要素、シンボル、特徴などありますか?
ヘレン:ペネロペズ・ガーデンでは、ブリジャートンに多く登場する素晴らしい庭園に敬意を表しています。リージェンシー・ブーケは、パーティーやフォーマルなソワレからインスピレーションを受け、プリントはよりフォーマルな花の装飾やインテリアからインスピレーションを受けています。ボタニカル・トレリスはより繊細な雰囲気で、物語のロマンスを連想させる魅力的な小花が描かれています。
各チャプターはこのコレクションにとって重要なストーリーテリングの役割を果たしています。それにより、見る人が認識しやすい重要な環境や設定に焦点を当てることができました。ブリジャートンの世界に足を踏み入れたような気分にさせるプリントにしたかったのです。
コレクションの中でお気に入りのチャプターや、もしあればデザイン的な観点から、そのコレクションのどこが一番好きですか?
ヘレン:一番好きチャプターは「ボタニカル・トレリス」です。プリントは控えめですが、細部まで美しく精巧に表現されています。このチャプターには本当に軽やかさと繊細さがあります。控えめなプリントでありながら、豪華なブーケに負けない存在感があります。また、実際に着やすいため、多くのお客様に楽しんでいただけるでしょう。
メリーアン:私は「リージェンシー・トレイル」が大好きです。ロマンスを謳歌し、美しい庭園がファブリックに表現されています。ドラマチックなドレスとしても、デニムと合わせてリラックスした着こなしでも、いろいろな着こなしができるので、現代のお客様にぴったりです。
制作が難しかったプリントはありますか?もしあれば、プリント名と理由を教えてください。
ヘレン:20色ほどのカラーを使ったプリントがいくつかあるのですが、これらは難しい作業でした。それぞれの色彩が異なる雰囲気を持つようにしたかったので、それを意識しコレクション全体で違ったものを楽しめるように努力しました。
「リボン・カスケード」というデザインは、スクロールするリボンと背景のストライプが特徴で、これをどう表現するかが面白かったです。私たちは、このプリントを歴史的な時代にふさわしく、かつ顧客にふさわしいものにしたいと考えました。モチーフと花柄がバランスよく配置され、全身に着用したときに流れが出るようにしました。
*本コレクションの一部デザインにつきまして、日本入荷が遅れており申し訳ございません。未入荷分につきましては、7月下旬発売を予定しております。