THE ARCHIVIST'S EDIT

リバティのリニューアル期となった1950年代のデザインには、伝統的なリバティのパターンの中にいくつかの素晴らしい現代的なものを見ることができます。当時、アーサー・ラセンビィ・リバティの大甥である若くエネルギーに満ち溢れいたアーサー・スチュワート・リバティが会長に就任しました。彼はリバティのモダンファニチャー部門の設立に尽力し、ロバート・スチュワートや後にリバティのファブリックデザインスタジオを立ち上げたコリーン・ファーなど、多くの若いデザイナーに仕事を依頼しました。抽象芸術の時代だった当時が入り組んだラインに散らされた色に反映された1950年代のデザインが私は大好きです。

リバティのアーカイブには膨大な作品が所蔵されていますが、その多くはあまり状態が良くありません。これらは芸術作品ではなく作業用のスケッチとしてもろい紙に描かれている事が多く、折りたたまれ印刷業者に送られ、カラーテストのために切り取られた部分などが見られます。キャンバーウ ェル・カレッジ・オブ・アートの紙の保存コースとの関係を築いていたリバティは、学生たちの最終学年の作品のためにいくつかの作品を送っていました。

リバティアーカイブには膨大なパターンの資料があり、その中には素晴らしく魅力的なアイデアが詰まっています。これら資料の中にはリバティのパターンはもちろん、他国から集められた資料も多く所蔵されています。19世紀の資料はとても刺激的で、見落としがちなほど小さなパターンがたくさんありますが、時にはページ全体でデザインを表していることもあります。

アナはアーカイブのパターンブックに載っている手がつけられていない面白いデザインをデザインチームに見せ、挑戦させたいと思っています。パターンブックには多くの可能性が秘められていますが、パターンの断片から完成したデザインにするために必要な時間が普段のデザインチームにはありません。

アナはリバティに入社する以前、劇場やテレビ、映画の衣装デザイナーをしていました。そんな彼女自身のキャリアからシアターの内装に見られる風景などからインスピレーションを得ました。