リバティの専門スタッフが世代ごとに独自の微調整を行い、新しい技術開発や、芸術運動とともに成長し、進化し続けている生地、タナローン。あらゆる段階で厳しく品質管理され作られるタナローンは、上質で快適、通気性や耐久性があり、デザインスタジオが描く素晴らしいデザインを見事に再現できる、生地技術の名作となりました。リバティが誇るコットンヒーローの秘密をご紹介します。
タナローン・コットンの歴史とは?
リバティは1890年代後半から、非常にソフトで耐久性に優れた滑らかな平織りのコットン・ローンを試してきました。1930年代初頭、リバティのコットンバイヤーだったウィリアム・ヘイズ・ドレルは、後にリバティを象徴する生地となるタナローン・コットンの確立に貢献し、ブランドの伝説が生まれました。この画期的な製品は、長いステープル状のコットン繊維の産地であるエチオピアのタナ湖にちなんで名付けられました。英国に帰国後、シルクのような糸を光沢のある形に紡ぎ、カラフルなインクでプリントし、テキスタイル業界を一変させる素材に生まれ変わらせたのです。
Merton dyers, 1910
リバティ・ファブリックスとリバティ・オブ・ロンドンは同じですか?
1875年のリバティ創業以来、リバティは生地を中心にユニークな商品を提供してきました。当時、リバティはアジアや中東から輸入した高級プリント生地やシルク生地を販売しており、その繊細な色合いと極細の構造は、当時の英国では他に類を見ないものとして珍重されていました。まもなくアーサー・リバティがイギリスで染めやプリントの実験を始め、最終的には1904年にマートン・プリント・ワークスを買収し、リバティ独自のプリントアートファブリックを開発、これが現在の「リバティ・ファブリックス」ブランドの始まりとなったのです。
1950年代初頭には、リバティは社内に独自のデザインスタジオを設立し、シーズンごとのコレクションのために、プリントを描き、ペイントする専門のアーティストを擁していました。現在でもリバティ・ファブリックのデザイナーは、象徴的なチューダーストアに木製の橋でつながれた垂木の上のスタジオで仕事をしています。彼らは毎年、何百ものリバティプリントを制作し、そのデザインはカタログ化され、5万点にも及ぶ膨大なプリントアーカイブに加えられます。これらのデザインは、さまざまなテキスタイルベースにプリントされますが、中でもタナローンは、リバティの最も愛されるベストセラーのシグネチャーとして君臨しています。
リバティのタナローンは主にどこで作られていますか?
現在のタナローンは、社内のスタジオアーティストがデザインし、イタリアのコモ湖の近くにあるリバティ社工場で、独自の生産工程にてプリントされています(日本製を除く)。熟練した技術者により、伝統的なスクリーン印刷と最先端のデジタル印刷技術を組み合わせ、何百種類ものデザインがプリントされています。タナローンには、インド、エジプト、米国で栽培されたコットン繊維が使われています。
タナローンは何番手ですか?
厳選した極細の超長綿を使用し、70番手と100番手の糸で織り上げ、手触り、光沢、安定性といった独自の品質を確保するため、さまざまな工程を経て作られています。スレッドカウントは240です。
Liberty Design Studio, 1950s
タナローンはどんなことに使えますか?
リバティ・ファブリックスのファンに長年愛されてきたタナローンは、常にクリエイターの想像力をかきたててきました。クラシックにもエキセントリックにも、ノスタルジックにも最先端にも見えるカメレオンのような魅力を持ち、世界的に有名な高級デザインハウスからクラフト作家により、さまざまなアイテムが作られてきました。
シルクのような手触りと美しい発色、そして通気性に優れ、洗濯機で丸洗いできる快適さを兼ね備えた、汎用性の高いファブリックの一つタナローンは、ホームウェアやアクセサリー、ファッションアイテム、キルティングアート作品など、あなたの想像力次第でさまざまな可能性が広がります。
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Liberty archive book page, 1960s